論点の理解が重要
効果的な勉強のコツは何でしょうか。
全4科目について一貫して言える事は
論点を理解した上での暗記・問題演習が大事だという事です。
2017年4月からのUSCPA新試験では、TBS問題の配点率が上がり
Analysis(分析)とEvaluation(評価)スキルが重要視されます。
TBS問題への対応力が今後の合否の大きな鍵になるでしょう。
MC問題で8,9割の高得点、TBS問題で5,6割以上得点で合格
というシナリオが通用しなくなるからです。
分析・評価をするには、論点をしっかり理解している事が前提となります。
”MC5周説”
アウトプットが大事、繰り返し演習が大事という事から
MCを5周やると合格力がついているという”MC5周説”は根強いようです。
4科目全てに合格した今、この説に私は半分賛成です。
アウトプットはもちろんとても大事です。
しかし、インプットも同じくらい大事だと私は思っています。
“論点の理解・知識の定着ができるかどうか” がポイントであって
MC5周は目標達成の1つの手法でしかないからです。
もちろん、論点の理解・知識の定着の為、問題演習を繰り返す事は
有効な方法だと思います。
論点の理解・知識の定着ができさえすれば
問題演習は2,3回でも十分に合格できるという話です。
私の場合、FARは、累計約4周こなした後の2回目の受験で合格しました。
1回目の試験時は、受験票(NTS)の有効期限が迫っていて
準備ができたとは言えない状態での受験になってしまいました。
問題演習回数で言えば、MC2.5周程度+TBSは範囲の半分のみ1周程度でした。
FAR以外の3科目は、MC問題 1回~3回, TBS問題 0回~2回しかしていませんが
1回目の受験で全て合格しています。
MC問題は、1回目に不正解だった問題のみを再演習。
その後、試験前に2回連続で不正解だった問題のみを再演習。
そのような形で行いました。
時間があれば、MC/TBSどちらも何度も演習したかったものの
そんな時間はなかったというのが本音ではありますが
問題演習に力を入れるのではなく、論点の理解に力を入れていました。
きちんと理解した上で暗記/問題演習をする事を目指していたのです。
何故なら
合格には論点の理解が大事であるという体験談もが多くあった事と
私自身、理解していないとすっきりしない/理解した上でないと
細かい事まで覚えられない人間だからです。
MC問題1周が終わったら、テキストを全部読み直して
各論点の繋がりを意識しながら総復習しました。
2周目の問題演習中にも、随時、関連するテキスト箇所を読み込みました。
また、試験数日前にも論点の総復習の為に全ページを読みました。
FARは4科目の中で一番範囲が広く計算問題も多いため
問題演習を何回もこなす事が素直に合格に繋がる科目だと私は考えています。
そういう意味で、FARに関しては、”MC5周説”に賛成です。
2018年9月 追記:”MC5周説”の前提
FARに関しては「”MC5周説”に賛成」
この私の意見は、アビタスのMC問題数(約900問)を前提としています。
TAC生の方でBecker教材にも手を広げる場合やプロアクティブ生の方は、
アビタスに比べ、MC問題数が2,3倍になるので、状況が違うと思います。
問題数が多いのは良い事ですが、消化不良になる危険性があるという面ではマイナスですね。
苦手な問題だけ、奇数問/偶数問だけ、と上手く問題を演習する工夫が必要になるでしょうね。
情報不足、大変失礼しました。
”MC5周説”の注意
”MC5周説”で大きな危険は、知識のドーナツ化です。
テキストに記載の論点の全てがMC/TBS問題で問われているわけではありません。
問題演習では問われていない基本/細かい論点が本番の試験で問われる事も多くありました。
MC5周こなしていても、テキストに記載の論点に記憶漏れがあれば
点数を落としてしまう事もあるのです。
アウトプットに重点を置いて試験対策をする際は
問題演習で問われていない論点や細かい事項も暗記する必要がある事に注意して下さい。
予備校のテキストは、一部の項目/論点を削って合格に必要な分だけで作成されています。
テキストに説明されている内容は、補足や参考であっても十分に理解しておく必要があります。
特に、TACやプロアクティブに比べ、MC問題数の少ないアビタスで要注意です。
(テキスト内には、本当に参考程度に見ておくだけで良い内容もあるので、その辺の見極め力は必要になります)
”MC5周説”でもう1つ危険なのは、問題や正解の選択肢を覚えてしまう事です。
問われている論点・なぜ他の選択肢は不正解なのかまでを理解して
正答を選べていれば良いですが、何度も演習するうちに
理解不足であっても正答を選べてしまうという可能性もあります。
問題を解く時間も自然と早くなるでしょう。
この点にも注意が必要です。
MC5周も、別の教材に手を広げて量をこなす事も
論点の理解・暗記に役立つのであれば有効でしょう。
あなたに合う手法/科目の得意不得意に合わせて、学習方法を決めてください。