2017年4月から始まったUSCPA新試験制度では、TBS問題の配点率が上がっています。
TBS問題での得点力が合格を握る大きな鍵になるでしょう。
MC問題で9割正解、TBS問題で7割以上正解というのを
合格への具体的な戦略的目標にするのが良いのではないでしょうか。

私のUSCPA受験仲間から、新試験の受験体験(AUD,REG)を聞きました。
※ FAR,BECの新試験の受験体験談は収集中です。

USCPAの出題問題は他人に公言してはいけないルールなので詳しい内容は聞けないのですが
これから新試験を受験するあなたへのアドバイスになる部分を以下でお伝えします。
(USCPA受験仲間の友人にも、情報シェアの了承を得ています)

USCPA 新試験ではTBS問題の難易度がアップ

TBS問題
★以前より実務的な問題が増え、難易度アップの傾向
 書類(財務諸表、所得税申告書、請求書、レター等)やEメールを見て
 その中の記載内容から情報を見つけ出し、それを基に判断する力が必要
★AUDの実務的なTBS問題に対応するには、FARをしっかりマスターしている必要あり

新試験制度の開始前にも、書類の記載内容から的確に情報を探し
それを基に質問に答える問題は出題されていました。
新試験では、そういった実務的応用力を問う問題が増えているようです。
AICPAのアナウンス内容とも一致の傾向ですね。
ただ、その結果、問題の難易度がアップしているというのが友人の受験体験です。
MC問題は理解・暗記重視の勉強法で満点/9割を狙う事は可能でしょうが
TBS問題で十分な得点を得るには、実務的対応力をつける為の対策が重要になるでしょう。

新試験 合格体験談

以下で紹介するAさんとBさんの2人は、
受験前から合格の為の勉強法等の相談を受けていて、たくさん話をしていました。
2人の受験時の感触情報は、とても参考になる有益情報だと私は判断しています。

新試験 AUD 合格体験談 by Aさん

Aさん情報

アビタス生、既に他3科目合格済み
旧試験で2回受験 (2回目受験時 74点)
新試験で3回目の受験(2017年5月中旬)  87点で合格
FAR失効期限の数日前にAUD受験し、晴れて4科目合格
AUD2回目受験後、追加でBecker教材(TACから単科で購入)も利用

TBS問題

過去のAICPA ReleaseのTBS問題より難易度高めの問題が多いと感じた。
実務的な問題が多く、実際に実務経験がないと素早く答えられないのでは?という印象。 
とても時間がかかる問題が多かった。
TBS問題に2時間30分を残したものの、最終的には時間が少し足りなかった。
TBS問題が3つのTestletに分かれているので、タイムマネージメントが以前より重要になったと思う。
後ろのTestletの方が難易度の高い問題だったと感じた。

FARの知識が必要な問題が数問あり(修正仕訳など)
DRS問題の出題はなし 
 ※AUDでもDRS問題の出題可能性はあるので、事前対策は忘れずに!

アビタス教材だけではなく、TAC/Becker教材にまで手を広げて対策をしていたものの
TBS問題には相当苦戦した。(MC問題ではしっかり得点できた)
TBS問題は、アビタスはおろかBeckerでも触れられていない違いや論点からも
多くの出題があり、各社まだ新試験への対応ができていない印象。
新試験では、旧試験より高い英語力が必要になったと感じた。

Aさんが新試験受験までに利用したAUD追加教材

TAC本科生コース テキスト
TAC直前 Simulation 対策&総まとめ講義
Becker教材:英語講義・英語テキスト(アビタスに比べ内容が膨大)
Becker MC問題(アビタスの数倍の問題数)
Becker模試 2つ
※Becker教材に190時間(英語の講義視聴・ノートまとめなども含め)

合格発表後の振り返り

87点で合格 (受験直後は、TBSの難易度の高さに放心状態になった)

Becker教材をやり込んだ事が合格に繋がった。
Beckerのテキストは、相違点など比較の情報が多く、
それを自分で比較表やメモに追記しながら問題演習をしていった。
TACもBecker教材をまとめたものだが、TACだけでは頭にきちんと入らないと思う。
Beckerをやった後なら深く理解できるだろう。 

MC/TBSの得点分析
MC テストレット1:ほぼ全問正解。簡単に感じた。
MC テストレット2:10問ほど自信なし (そのうち数問は全く分からなかったが、半分程度は正解できたはず)

TBS問題
2題:半分正解
2題+リサーチ問題:正解
超難問1題:採点対象外
他2題:不明(忘れてしまった)

Makiによる分析
Aさんは、MCでほぼ満点、TBSで7割の得点での合格だったと推察します。
MC問題でほぼ全問正解できるレベルまで仕上がっていると、
TBS問題では、たとえ自信がなくても、6,7割は取れる力が付いている可能性が高いです。

受験直後のAさんから、私が受験した時のTBS撃沈の感触に関しての質問がありました。
私も、MCはバッチリでほぼ満点、しかしTBSで撃沈したとの感触で、87点でした。
TBS問題では、正解したという自信のある問題が半分程度だったからです。
自信のなかった問題も、基礎知識をもとに判断して回答しているので
半分程度は正解していたのだと思います。
そう考えるとTBSでの正答率は75%です。
問題によって配点が違いますし、採点対象外の問題もあるので、
正答率=得点ではないですが、80点後半での合格になるのは自然でしょう。

新試験では、TBS問題での得点力(多くの資料を読み解く英語力)が
合格のキーになるのは間違いありませんが
まずは、MC問題で100%正解できる深い知識(理解)をつける勉強をして下さい。
その基礎ができた上でTBS対策をする事が合格への近道だと思います。

新試験 REG 合格体験談 by Bさん

Bさん情報

アビタス生、既に他3科目合格済み
旧試験でREG初受験(2017年3月上旬) 64点
新試験で2回目の受験(2017年4月上旬) 79点で合格
FAR失効期限の数日前にREG受験し、晴れて4科目合格
<備考>
2017年1月末にBECを受験し、合格 (USCPA3科目目の合格)

REG学習時間

1回目受験までに (2016年12月から学習開始)
REG 1 (Business Law):92.5時間
REG 2 (Tax):87時間

2回目受験まで(約1ヶ月間)の追加時間
REG 1:1時間
REG 2 :85時間

TBS問題

実務的な問題が多かった。
問題文や参照資料の情報が多いので、とても時間がかかる 。
1つ1つの問題は難しいわけではないが
長文読解に時間がかかるとTBS問題で時間不足による失点を招くので
(旧試験の)AUD並みの英語力が必要だと感じた。
DRS問題が4問出題あり。
細かい事まで問うコンプライアンス問題が1題あり。
MCも含め、コンプライアンス重視の傾向を感じた。
新試験に対応したTBS問題が有るならば追加購入必要だと思う。

合格発表後の振り返り

79点で合格
合格するとは微塵も思っていなかったので
合格発表までの4ヶ月間はREGと失効してしまうFARの学習をしていた。

勉強方法は2科目目のAUDから変えていない。
MC問題では、正解するよりも、他の選択肢が何故誤っているのかを指摘できる様にする事に注力。
解答ページにテキストの内容やポイントを書き足した。
不正解の選択肢についても重要な項目は書き足した。
この方法では時間がかかり問題数はこなせないが、しっかり理解する事を目指していた。
TBS対策はできていなかった、かつ、受験時も時間不足で撃沈したと思った
それなのに合格したのは
しっかり理解する勉強をしていたから&他の受験生も新試験に対応できていなかったから
だと推察している。

Makiによる分析

Bさんは受験後、TBS問題に対する感想として
「1つ1つの問題は難しいわけではないが、情報が多いので非常に時間がかかる」と言いました。
これは、基礎がしっかりできていた証拠だと私は感じました。
だから、時間が全然足りなく大幅失点したと思い込んでいたTBS問題でも
十分に得点できていたのだと思います。

理解重視の勉強法は、新試験でも有効だと再認識しました。
問題数をこなすことより、問題への取り組み方がポイントだと思います。
この問題で問われている論点は何なのか
不正解の選択肢の何が間違いないのか
問われ方が変わったら正解は変わるのか
そういったアプローチで、しっかり論点理解し、暗記事項の記憶が定着すれば
合格を手にする事ができるのです。

USCPA試験の採点方法は
難易度が高い問題には高得点をつけるシステムだと説明されています。
今回の新試験の合格発表待ち期間が4ヶ月なのは、
受験生の出来をもとに各問題の難易度と得点の最終調整をしているからです。
そういう意味では、この4月5月受験は相対試験的性格がでてしまう特殊期間であったと思います。
受験生の9割は米国人なので、真相は不明ですが
他の受験生も、新試験のTBS問題の参照資料の量に対応しきれず、
TBSで多く失点していたのかもしれませんね。

最後まで諦めない それが一番大事

Bさんは、1回目の受験に不合格後、FARの失効が迫っていました。
その失効までに残された期間は約1ヶ月。
残業や自宅の引越もあり、あまり時間がない中、勉強を続けていました。
受験1週間前には、REGの受験を延期するかどうか悩んでいるとの相談も受けました。
勉強時間も十分に取れず、合格ラインに到達できると思えないので
受験を延期しようかと考えているという話でした。
Bさんの場合、8月上旬にAUDの失効も迫っていたので、状況は複雑です。
私も、NASBAの通達や予備校情報を読み込みました。
4月上旬のFAR失効前にREGを受験さえすれば、AUDの失効は延期される可能性が高い
しかし、受験しなければ、FARとAUDの2科目の失効は確定
ならば、受験するしかない! そう結論が出ました。
これが受験の約1週間前の話でした。
結果は合格です。その報告を聞いた時はとても嬉しかったです。
そして、このブログ投稿を書く為に、Bさんとの数ヶ月間のSMSやり取りを読み返していたら…
うるっとしてしまいました。
私自身も、REGの受験時は、試験前日にマスターした論点があり
最後の追い込みの努力があったからこそ合格できたと思っています。
受験まであと少し。そんな時は焦りで集中力もいつも以上に出ると思います。
最後の追い込みをやりきって、受験に臨んで下さい。

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2018年1月追記

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